『紡がれる時間』成果報告

Creative Garden “Core” 主催の公演『紡がれる時間』が、12月17日に港区のOAGホールで上演されました。翌々日19日から年内、オンライン動画の配信を致します。ご来場・ご観覧いただき誠にありがとうございました。本公演の報告をしたいと思います。

『紡がれる時間』ダイジェスト

コロナ状況下にあっても、新作の舞台作品を世に出していく

COVID19対策を十分講じて、実施されました。

  • 客席を収容人数の1/4未満に縮小
  • 翌々日より約2週間の動画配信の実施
  • 文化庁のガイドラインに即した、会場での感染症対策
  • 出演者のリハーサルでの抗原検査、および演奏会直前のPCR検査の実施
  • 全スタッフの抗原検査
  • 動画による振り返りなどを稽古に活用
  • 動画による出演

キャスト・スタッフ

出演
木下出
飯田映理子
藤岡弦太
宮城幸菜(Cl.)
堀沙也香(Vc.)
髙橋悠之輔(Pf.)
青山郁彦(映像)

スタッフ
照明 村田崇夫(ハーブクラシックス)
音効 飯田隼平(Jum Design Works)
音源収録 児島巖(トランスライブ)
動画撮影 大木忠幸
写真撮影 迫田大樹
チラシデザイン Jum Design Works
制作 Creative Pot Tokyo
主催 Creative Garden “Core”

本公演の成果

第1部は木下出によるモノ・オペラです。構成、作曲、出演、演出を全て一人で担当し、独自の世界を表現しました。なお劇中、オーストラリアの民族楽器であるディジュリドゥを活用するなど、新しい試みがなされています。

第2部は髙橋悠之輔による新作のオペレッタです。テキスト、歌、楽団による構成で舞台を構築する試みは実に20年ぶりのことでした。今回はバリトン歌手の藤岡弦太氏、クラリネットの宮城幸奈氏、チェロの堀沙也香氏を招き、新作に挑みました。親しみやすい旋律を心がけながらも、テクニックを要求されるこの曲は三氏のお力添えがなければ実現できませんでした。この場を借りて御礼申し上げます。また、前回のリーディング公演で活躍した青山郁彦氏は今回は動画での出演で、オペラとの初仕事になりました。

文化庁AFF採択事業

本演奏会を含めて今年度のCreative Garden “Core”の主催公演は、文化庁令和2年度第3次補正予算事業「ART for the future!」(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)に採択されました。

ARTS for the future!サイト(新しいタブで開きます。)

レビュー

佐藤清文氏(文芸批評家)

彼らはさまよっている。小舟で漕ぎ出した、あるいは脚本を書き始めたその世界は果てが見えない。彼らはさまよいながら、時間を紡いでいる。

そこに音楽がある。音楽は自分を含めた誰かと合わせることを前提にした実用以上の音の組織化である。さまよえる彼らは音楽を共有する。それによって時間を紡いでいく。

時間は分かち合いによって存在する。そのため、それは音楽を必要とする。音楽を通じて時間はさまよいながら紡がれていく。この舞台の時間はさまよえる彼らの音楽として紡がれている。